シンポジウム

植物学会理事会主催シンポジウム

「植物科学のファンを増やそう!〜植物の魅力ってなに?〜」

オーガナイザー:植田美那子(東北大)

ひとくちに植物科学といっても、植物のどんな点に魅力を感じ、植物から何を学ぶかなど、さまざまな面白さがあります。また、それらを研究者に向けてだけなく、多くの方々にどうやって伝えるかも、また別の楽しさと難しさがあります。そこで本シンポジウムでは、さまざまな分野や方法で植物の魅力を広く発信し、植物科学のファンを増やしてこられた方々に、植物の面白さや奥深さ、そして魅力の伝え方などについてお話しいただきます。

JPR国際シンポジウム

「Cellular Dynamics and Calcium Signaling」

オーガナイザー:森泉(岡山大)、原田明子(大阪医科薬科大)

Last year, Professor Shingo Takagi of Osaka University passed away. We will hold a symposium to commemorate his achievements and discuss topics related to his work. Professor Takagi has studied cytoskeletons and calcium. We plan to invite speakers related to calcium signaling and cytoskeleton/cytosolic streaming/plant growth. Order of speakers may be subject to change. We hope this symposium will be co-hosted by “植物生体膜談話会”.

一般シンポジウム

「葉緑体だけでは植物になれない?―微細藻の戦略を知り「植物化」の本質に迫る―」

オーガナイザー:中澤昌美(大阪公立大)、柏山祐一郎(福井工業大)

植物の特徴である光栄養は、葉緑体を含む植物細胞全体が連携して初めて成立している。ユーグレナ藻など多くの微細藻では新たに獲得した葉緑体による光栄養を実現するため、それぞれの系統で独立に連携の仕組みを発展させたと考えられる。昨今のゲノム編集ツールの発展は、非モデル生物の代謝機構すら高解像度での研究を可能にした。本シンポジウムでは微細藻において光栄養を支える細胞の戦略を取り上げ、「植物化」の本質を再考する契機としたい。

「さきがけ「植物分子の機能と制御」第3回成果報告会 ~植物分子を介した生物間の駆け引き~」

オーガナイザー:西谷和彦(神奈川大)

植物は陸上への適応戦略として進化させた多種多様な代謝系を持つが、植物が生産する分子種は膨大で、未解明・未利用のものが多く存在する。本領域では、「植物分子」(植物由来化合物及びその関連遺伝子)を軸として、生体内及び生態系内の生命現象の解明と、その有効利用に資する基礎的知見の創出と革新技術の構築に向けた研究を推進している。本シンポジウムでは2021年採択のさきがけ研究者5名が、これまで実施してきた研究の成果を発表する。

「地球を緑で覆った光合成生物の世界制覇戦略〜あるものでなんとかする進化の裏話」

オーガナイザー:丸山真一朗(東大)、田中亮一(北大)

地球上ではほぼどこでも光合成が行われている。こんな当たり前のように思える事実の裏側には、様々な光合成生物の系統で起こった、目眩く変化を見せる環境への弛まぬ応答、そしてそこからの進化があった。またその多くは、無から生じる全く新しい発明というよりも「あるものでなんとかする」現場対応の連続の結果としての変遷であっただろう。分子から個体、生態系まで、光合成生物の「世界制覇戦略」を解剖し、その進化史に想いを馳せる場としたい。

「環境ストレスに対する植物の生体応答の柔軟性」

オーガナイザー:山口暢俊(奈良先端大)、久保田茜(奈良先端大)

植物を取り巻く環境は、数分から数か月に至る幅広い時間軸で変動する。こうした環境変動は植物の成長発達だけでなく、植物 – 微生物間相互作用を変化させることで、生態系全体に大きな影響を与える。本シンポジウムでは、草本から木本に至る多様な植物がみせる適応戦略について多面的に紹介しつつ、植物が支える生態系の動的平衡を読み解く手がかりとしたい。

「植物/微生物/オルガネラの相互作用をイメージングで解き明かす」

オーガナイザー:豊岡公徳(理研)、永田典子(日本女子大)

植物細胞内では、オルガネラ同士が活発に相互作用しています。色素体やミトコンドリアなどのオルガネラは、もともと別の生物が共生して進化したものであり、その動態は生物間相互作用の象徴とも言えます。今なお植物は、日々微生物の攻撃に晒されながらも、同時に共生関係を築くなど、植物 – 微生物間では様々な相互作用が生じています。最新のイメージング技術は、そのような相互作用の現場を捉えることを可能にしました。本シンポジウムでは、光学顕微鏡や電子顕微鏡の最新のイメージング技術を駆使し、オルガネラや微生物と植物との相互作用の実態に迫る研究を紹介します。

「環境の変化に対する多様な生物の生存戦略に学ぶ」

オーガナイザー:澁田未央(山形大)、安田盛貴(奈良先端大)

生物は周囲の環境を感知し、それに応じて自身の行動や生理機能を調節する、あるいは自身が住む環境を作りかえることで環境の変化に適応している。本シンポジウムでは、植物をはじめ昆虫、線虫、魚類といった多様な生物における細胞から個体レベルでの環境適応能力の解明に向けた取り組み、環境適応性の高い生物資源の開発における課題を紹介し、分野の垣根を越えて「環境の変化に対する生物の生存戦略と今後の展望」を議論することで、新たな発想や繋がりを広げる機会を提供したい。

「植物細胞壁がもつ多面的な情報記録機能を理解する:記憶の場としての細胞壁」

オーガナイザー:浅岡真理子(神奈川大)、吉成晃(名古屋大)

細胞壁は植物細胞を物理的に安定化させる構造であると同時に、細胞種や周囲の環境の変化に応じてその組成や構造をダイナミックに変化させる事で細胞機能の発揮に寄与している。このような細胞壁の変化は、エピジェネティックな遺伝子発現制御と並び、細胞の履歴情報の記録(記憶)を担うと捉える事ができる。この記録の読み取りから得た生理的な理解や、細胞壁への情報の入出力の仕組みなど、「細胞壁と記憶」をキーワードに、細胞壁の新たな役割について議論したい。