ランチョンセミナー
ライカマイクロシステムズ株式会社 ランチョンセミナー
顕微鏡イメージングの未来へ
日時
9/14 (土) 12:30-13:30
会場
J会場
内容
「イメージング技術を用いた異形細胞の分化とそれを制御するマスター転写因子の解析」
白川 一 先生(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域)
異形細胞とは、形・大きさ等の特徴から、周辺の細胞と異なる形態を持つ特殊化した細胞である。発表者は、アブラナ目植物に特異的な異形細胞であるミロシン細胞の研究を行ってきた。ミロシン細胞は、シロイヌナズナの葉の深部である維管束近傍に分布するため、研究を開始した当初はイメージング解析が難しかった。特に、葉緑体由来の自家蛍光をいかに取り込まないか、目的の蛍光と区別するか、といった点で方法の改善を行ってきた。手法の改善と並行して、共焦点顕微鏡そのものの発展により、蛍光タンパク質由来の蛍光と葉緑体の自家蛍光との分離や取得できる画像の解像度が飛躍的に向上した。それにより、細胞内で比較的量の少ない転写因子のイメージングや多色でのイメージングも可能になってきた。本発表では、異形細胞を例に、STELLARIS 5を用いた植物の葉における細胞やタンパク質を観察する方法を紹介したい。
「蛍光寿命イメージングによるアプリケーション:自家蛍光の分離、FRET、バイオセンサー、超解像イメージングSTED」
長利 卓(ライカマイクロシステムズ株式会社)
植物の葉緑体を始めとした自家蛍光が観察の妨げになることがあります。しかし、蛍光寿命という励起や蛍光スペクトルとは全く異なる情報を用いることにより、蛍光タンパクなどの必要なシグナルと自家蛍光を分離することができます。蛍光寿命はその他にもFRET、カルシウムイオンや細胞膜の張力などを測定するバイオセンサー、超解像イメージングSTEDと様々なものに応用されています。さらに共焦点顕微鏡STELLARISを用いることで従来よりも速く蛍光寿命画像取得ができるようになりました。本セミナーでは共焦点顕微鏡STELLARISにより実現した蛍光寿命イメージングのアプリケーションについてご紹介いたします。
*お子さん連れでの参加が可能です.
ぜひお子さんとのご参加をお待ちしております!
Journal of Plant Research ランチョンセミナー
日時
9/14 (土) 12:30-13:30
会場
K会場
内容
「即時オープンアクセス(OA)」の時代に研究者また学会誌Journal of Plant Research (JPR)はどのように対応するか,その現状と将来,OA出版をサポートする転換契約などについて,JPRから最新の情報を提供します.また日本植物学会にとってのJPRの位置づけや現編集委員からの声,さらに会員からの質問をもとにした議論など,会員のみなさまとともに,JPRの現状とこれからを考えるランチョンセミナーを企画します.奮ってご参加ください.
- 概要説明(司会:且原 真木・現JPR編集長/岡山大)
- オープンサイエンス,オープンアクセスについて出版社からの情報提供(シュプリンガー)
- JPRにおけるOAと転換契約(且原)
- 日本植物学会にとってのJPR,編集委員から見たJPR(大谷 美沙都・東京大学)
- 質疑応答
*お子さん連れでの参加が可能です.
ぜひお子さんとのご参加をお待ちしております!
ダイバーシティ推進ランチョンセミナー (日本植物学会・ダイバーシティ推進委員会主催)
人生設計における博士号取得 ~先輩,博士は役に立ってますか?~
日時
9/15 (日) 12:00-13:00
会場
K会場
内容
日本の人口あたりの博士号取得者数は,米・独・英・韓と比較して半分であり,企業の研究者に占める割合も低いのが実情です.そんな中,文部科学省は今年の3月に「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」を発表しました.2040年までに博士号取得者数を世界トップレベルに引き上げるムーンショットな計画です.この計画では,研究を通じて得た深い専門知識と課題発見・解決能力を武器に,博士号取得者がアカデミアのみならず,多様なフィールドで活躍する社会を実現することを目指しています.博士人材の社会実装は,研究者や研究コミュニティーのダイバーシティの拡大にも重要だと考えられます.本セミナーでは,民間企業や高校で働いている3名の博士号取得者をお呼びして,博士号取得が現在の仕事でどのように役立っているかを紹介して頂き,博士人材が社会で活躍するためにはどのようなことを意識したら良いかなど,現時点での問題点を踏まえざっくばらんに議論したいと思います.
司会
越水 静(国立遺伝学研究所)
高山 浩司(京都大学)
パネリスト
亀井 綾子(モデルナ・エンザイマティクス株式会社,CMC Analytical Development Principal Scientist)
中川 知己(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校,研究指導専任・特別非常勤講師)
川上 大地(カゴメ株式会社,グローバル・アグリ・リサーチ&ビジネスセンター 農業資源・技術開発部 トマト・アグリテックG)
*お子さん連れでの参加が可能です.
ぜひお子さんとのご参加をお待ちしております!
大会実行委員企画ランチョンセミナー 「NHKに学ぶアウトリーチ戦略」
研究者にとって自身の研究の面白さを一般の方へアピールすることは重要ですが,日々頭を悩ませる部分でもあると思います.昨年度の「日本植物学会特別賞」を受賞したNHKの番組からその工夫を学ぶ企画です.
講演タイトル
Eテレ「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」制作の舞台裏
日時
9月16日 (月・祝) 12:40-13:40
会場
X会場
演者
聞く人:荻野 太朗(NHKエンタープライズ プロデューサー)
話す人:竹村 武司(放送作家),長友 祐介(クリエイティブ・ネクサス ディレクター)
内容
「くだらないのに勉強になるのが悔しい」.
「この番組のお陰でがぜん,植物に興味が出た」.[X (旧ツイッター)より]
2023年度の学会で「特別賞」を受賞したEテレ「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」.2018年に特番として放送されるとネットで大きな話題となり,これまでに9回放送されてきました.「本格的な生態映像」と「シュールな擬人化演出」を組み合わせた番組は,どのような経緯で誕生したのか.植物の生存戦略を伝えるために,どんな工夫をしているのか.舞台裏を制作チームが明かします.